こんにちは、Unipos代表の松島です。本日、2025年3月期の通期決算発表と2026年3月期業績見通し並びに成長可能性資料を開示いたしました。開示にあたり、当社の戦略と取り組みについて、私から補足させていただきます。昨期、私たちは従来のプロダクト単体提供から大きく舵を切り、「マルチプロダクト × プロフェッショナルサービス」による包括的支援体制へと事業ポジショニングを再定義しました。この戦略転換により、エンタープライズ企業への支援を飛躍的に強化できるようになり、単なるUnipos単体の提供にとどまらず、人的資本経営や組織風土といった領域の専門知見をフルに活かし、組織課題の解決プロセス全体に伴走できる体制を築いています。結果として、12月には月次黒字化を達成し、第4四半期には四半期ベースでの黒字化も実現。業績面でも着実な改善が見られました。本稿では、この戦略の背景と成果、そして実行を支える当社の組織的な取り組みについてご報告します。「Unipos単体」から「組織課題解決カンパニー」へ – 戦略転換の狙いとその裏側まず、戦略転換の背景と狙いについてお話しします。これまで当社は、ピアボーナスUniposの提供に注力してきました。しかし、顧客企業が抱える課題は年々高度化・多様化しており、単一のプロダクトでは十分な価値提供が難しい局面が増えてきています。またこの数年、おかげ様で「ピアボーナス」という言葉は多くのお客様に浸透してきました。一方で、福利厚生的なイメージが先行し、「Unipos」が持つ本質的な価値が伝わりづらいという課題も感じていました。私たちはピアボーナスを、「組織内の良い行動を称える事を習慣化する仕組み」として捉えています。単に「ありがとう」を気軽に言えるサービスではなく、組織として広めたい価値観や行動を、働くひとの称賛行動を通じて自然と定着します。それにより、一人ひとりの働きがいと、組織が掲げる方針の定着を実現するという双方を支えることができるサービスだと考えております。理念や価値観の浸透は、浸透する側とされる側という対立構造自体が問題であり、社員の自然なよい行動の広がりによってはじめて実現すると考えています。その上で、お客様の中で「どのような価値観や行動を、今後組織に浸透させたいのか」、という問いに向き合うプロセスも含め、私たちはお客様の対話や合意形成を支援する、組織開発的なアプローチをカスタマーサクセスやコンサルティングで磨いてきました。加えて、田中を中心に人的資本経営に関する発信も強化し、私たちは人的資本経営を「個人の持つ人的資本を十分に発揮するための土台を再構築し、組織的人的資本を創出する経営」と定義。啓蒙に加えて、コンサルテーションの提供も加速させてきました。そうした取り組みの中で、「私たちはいったい何の会社なのか?」が不明確になりはじめました。そんな中、新たに加わった新執行役員メンバーとともに経営合宿で徹底的に議論しました。その結果、私たちは自社の存在意義を「組織課題解決カンパニー」と再定義し、プロダクトとプロフェッショナルサービスを組み合わせた独自モデルへの転換を本格化させました。「課題の解決 × 複合的な支援」にまで踏み込むことで、他社との差別化を図り、「人材定着」「組織開発」など、より本質的な組織課題に向き合える支援体制を整えています。このようにして、Uniposという単体プロダクトの枠を超え、私たちは「包括的ソリューション提供企業」へと生まれ変わりました。戦略の成果 – 顧客企業からの高い評価と導入事例この新たな戦略が、実際にどのような価値を顧客企業にもたらしているか。その一端を、代表的な2社の導入事例を通じてご紹介します。グッドライフサーラ関東株式会社様:まずUniposを導入いただき、社員同士の相互理解が進む手応えを感じていただきました。さらに、より高度な組織変革を目指して組織インサイトサーベイをご導入いただいたことで、本質的な組織課題の可視化が可能となりました。経営陣と管理職が本気で議論を交わす機会が生まれ、実行可能なアクションプランの策定へとつながっています。そのプロセス自体が意識改革を促し、Uniposの活用意識も一層高まりました。日本生活協同組合連合会様:多様性を力に変える新たな人と組織づくり戦略の一環として、組織インサイトサーベイをご導入いただきました。構造的な組織課題を可視化することで、経営企画・人事の双方で「人的資本経営上の改善余地」について認識を統一。施策の整理や優先順位の明確化につなげていただいています。こうした事例はほんの一部ですが、「プロダクト+サービスによる包括支援」が確かに価値を生んでいるという実感を、私たち自身も強く持っています。とりわけ、事業承継やカルチャー変革のタイミングにある企業からは、当社の支援への期待も日々高まっており、私たちもさらにその価値を磨いていきたいと考えています。おわりに – 今後に向けた展望と決意2025年3月期は、当社にとってまさに「変革と成果の一年」でした。事業ポートフォリオを再定義し、それを支える組織づくりに取り組んだ結果、顧客からの評価、そして業績の両面で確かな手応えを得ることができました。特に12月の月次黒字化、そして第4四半期での四半期黒字化の達成は、社内の努力とお客様からのご信頼が形になった結果です。そして、今年度、2026年3月期には通期での営業黒字化を見込んでいます。プロダクトとプロフェッショナルサービスのクロスセルによる顧客単価の向上、さらに生成AI等の活用による業務生産性の改善が進んでおり、収益構造の強化に確かな手応えを感じています。Uniposは経営・組織の両面で、次なるフェーズへと歩を進めつつあります。とはいえ、これは新たなスタートラインに立ったにすぎません。今後も「組織課題解決カンパニー」として、プロダクトとサービスの磨きこみをさらに進め、日本企業の組織開発・カルチャー変革・人的資本経営を支援する唯一無二の存在を目指しますし、本質的な価値提供を実現する骨太な新サービスや打ち手を次々とおこなってまいります。昨期提供を開始したサービス群は、お客様のニーズをお客様とご一緒に探索したながらリリースしてきたものばかりです。当社としても、イノベーティブなサービスを今後も提供していきたいと考えています。現在のサービス群の拡充や、新たなプロダクト開発、他社との提携も視野に入れながら、生成AIなどの先端技術を積極的に活用し、Uniposならではの独自価値をさらに高めていきます。そして、「人と組織」を中核に据えた経営をぶらさず、社員一人ひとりが成長と活躍を実感できる会社であり続けることで、その集合体として最高の価値をお客様へお届けしてまいります。最後になりますが、株主・投資家の皆さまをはじめ、日頃よりご支援くださるすべてのステークホルダーの皆さまに、心より御礼申し上げます。社員の努力とお客様の成功が、会社の成長に直結する――そんなポジティブなサイクルを回し続け、『「最高の集団を自らつくる」時代をつくる』というUniposのパーパスの実現に向けて、引き続き邁進してまいります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。