この会社だから主体性を持ち続けることができた――現在の役割とミッションについて教えてください。関:Unipos社の執行役員兼CTOという立場で、約30人のエンジニア組織とUniposのシステムのマネジメントを行っています。ミッションとしては、まず改善スピードを速めながら安定した品質のサービスを実現すること。その上で、世の中にもっと貢献できるサービスとしてUniposを高めていくために、インパクトある変化を起こすことです。私はCTOとして、エンジニアの枠にとらわれず、やれることは何でもやるくらいの気持ちでチームメンバーに背中を見せるようにしています。――関さんはUnipos社でも長い社歴をお持ちです。まずは、入社までの経歴からお聞きします。関:実は大学卒業後、ずっとバンドマンをしていたんですよ。バンドの傍ら、時給のいい仕事を探していて、28歳のときにエンジニアになったんです。その後はしばらく二足のわらじを履いていたのですが、32歳でバンドを辞めてエンジニアに専念しました。Fringe81(Uniposの前身)に入社したのは、その翌年である2012年のことです。最初は派遣エンジニアとして、アドサーバのdigitaliceの開発に携わりました。――当時の会社の印象はいかがでしたか。関:働いている皆の目つきが燃えているのが印象的でしたね。どこにもないサービスを作りたい! という野望を語っていて、誰もサボらずに仕事をしているのがすごいなと(笑)。私自身も尖ったことがやりたかったし、バンドマンの魂を持ったまま会社員をやれたらめちゃくちゃアツいなと思ったのを覚えています。――それ以降、関さんがUnipos社に長く在籍されているのは、そういった社風と自身がマッチしたからでしょうか。関:そうですね。とにかく、Unipos社は自分がやりたいことをやらせてくれました。ElmやReact Nativeの選定をしたり、エンジニア勉強会を開催したり。エンジニア業務だけでなく、たとえば新卒採用でもプロセス設計を任せてもらえたりもしました。自分がやること、やりたいことに対して“いいじゃん”と言ってもらえる。だからこそ、Unipos社のことも愛せたんだと思います。なかなかできないことだと思います。もちろん、仕事なのでしんどいこともあります。だけど、Unipos社は主体性をへし折ることは絶対にしない。熱を持って働き続けられた理由としてはそれが大きかったです。私が好きなサッカーに例えるなら、自分のイマジネーションを爆発させられるような“ファンタジスタ”なプレーをすることを応援してもらえるんです。チームメンバーに求めるのは、自ら考えて進むマインド――CTOとしてのマネジメントポリシーを教えてください。関:引き続きサッカーに例えていうなら、マネジメントポリシーはずばり「サッカーの名監督」です。エンジニアチームが選手、CTOを監督と見立てるならば、システムや戦術は監督が決定しますが、試合の中で判断を行うのは選手です。なぜなら、試合が始まってしまったら、簡単に止めるわけにはいかなくなるからです。だからこそ、試合前にしっかりとシステムや戦術を選手たちとすり合わせ、試合が始まったら選手たちの判断を尊重することが大事なんです。特に私が敬愛するオシム監督は、自らがつくったシステムの中に選手を縛るのではなく、戦術を土台としつつ選手自身に考えさせ、自分の力で立ち上がり進むことを求めます。これはまさに、開発組織のなかで私がメンバーに求めるマインドなんです。メンバーの挑戦を応援し、成長を信じて託す。仮に失敗しても、組織や仕組みでカバーできるように設計する。それこそがCTOの役割だと思っています。サッカーでは、強いチームだけが持つ独特な雰囲気があります。強いチームはプレーが途切れると選手同士でめちゃくちゃコミュニケーションをとるんですよね。何のためにやっているのかというと、自分の力だけでは勝てないので、周囲と最高の連携をして結果につなげるためにやっているんです。勝つためには妥協せず、互いに要求しあう。あの雰囲気をビジネスにおけるチームでもつくりたいと考えています。積極的な技術的投資でメンバーのパフォーマンスを引き出す――Unipos社のエンジニア組織は、どんなチームなのでしょうか。関:誰もが仲間思いで、真面目で、高い論理的思考力を持っています。筋の通った話をすれば、ちゃんとわかってくれるし「チームでいい仕事をする」ということに集中しているので、ポジショントークや権力争いみたいなものがありません。この点については、採用時に価値観を重視していることが大きいと思いますね。見ているポイントは大きく3つあります。ひとつは、自分の考え方を知ってほしいという気持ちがあり、その上で他者の考えを知りたいという好奇心を持っていること。ふたつめは、エンジニアとしての役割を果たすだけでなく、会社組織全体の成功を考えられること。3つめが、エンジニアリングが好きであること。この3つの価値観を重視して採用活動を行ない、カルチャーマッチしている方を仲間にできているから良いチームがつくれているのだと思います。――エンジニアチームの技術面については、どう評価されますか。関:チームとしての総合力が高いと感じます。20代の若手メンバーが多く、個々のポテンシャルは前述した妥協なき採用も相まって、一般的にみてもとても高いです。彼らの伸びしろをどう活かしていくのか、組織の仕組みづくりや育成は重要であり、マネージャーやリードエンジニアとしては腕の見せ所でもありますね。たとえば、最近の取り組みとしては、DevOpsを導入してリリースサイクルを速めました。どうなるかと思いましたが、結果として定量的に良い結果が出ています。――技術的な投資については、どのような考えを持っていますか。関:何よりも、Uniposというアプリケーションについて最適な設計をすることが最優先です。その上で、メンバーのパフォーマンスを引き出す環境をつくりたいと考えています。Uniposの技術選定例としては、アプリ開発はReactNativeを採用しています。Javascript/Typescriptに強みを持つ我々の技術スタックを活かしつつ、1コードで両OSに対応するという目論見から、まだ発展途上ではありましたがReactNativeで、と決めました。事業スケール✕技術チャレンジのベン図のちょうど良いところを狙うのはエンジニアリングの楽しいところですし、どちらかだけにはなりすぎないように気をつけています。最近では、メンバーから提案を受けて、バーチャルオフィスのGather導入を決めました。エンジニアが効率よく協働するための機能が揃っている、これで生産性を上げると。何度か議論を重ねてロジック+本気度を感じられたので、そこからは迷わず成功を信じて投資しました。トップダウンで決めたことだけをやってもらうのではなく、各チームにも意思決定をしてもらいたいと思っていますし、そのような主体的行動が現場で起こるととても嬉しいです。アプリケーション開発は土台が大事ですし、エンジニアの気持ちがドライブするとパフォーマンスが顕著に上がります。ですから、技術的負債は常日頃からちゃんと返して、ヘルシーな状態を保つことはとても重要視しています。「組織として何を成したいか」にフォーカスしたチームづくりをしたい――今後、エンジニア組織をどのようにしていきたいと考えていますか。関:あくまでも一番大事にしないといけないのはビジネスです。まずビジネスの成功があり、技術はそのためにある。そのような順番で考える必要があります。その上で、エンジニア組織については、「組織として何を成したいか」にフォーカスしていきたいと考えています。これは、Unipos社のエンジニア組織という“人格”が持つポリシーです。――そうした想いやポリシーを実現するには、経営側の理解も必要です。関:Unipos社は経営陣もエンジニアの仕事に対して理解があります。たとえば、昨年はM1 Macと4Kディスプレイを50台導入しました。ぜんぶで数百万円にもなる投資でしたが、経営会議にかけたら一瞬で決まりました。専門家のパフォーマンスを引き出すことの重要性を、経営陣がよく理解しているからこそです。また、開発マネージャーたちとも組織のパフォーマンスを考える時について心理的安全性の概念を共有しながらコミュニケーションができるので、とても組織運営がやりやすいです。開発マネージャーたちもエンジニアですが、人の話に強いなと感じます。ここは、Uniposという関係性を改善するサービスを提供している組織ならではだと思います。Uniposは「人の価値観を変える」ことに挑戦している――Unipos事業についてお聞きします。事業の面白さと難しさをどのように感じていますか。関:Uniposはまだまだ新しい領域のサービスです。組織を変えるサービスであり、わかりやすくコストダウンをしたり時間効率を高めるようなサービスではないので、Uniposを導入してもお客さまのビジネスインパクトにつながっていることが直接的には伝わりづらいこともまだまだ多いと思っています。その点は難しさも感じています。一方で、だからこそUnipos事業は面白いと思います。Uniposが掲げる“人と人が認め合う組織”は、価値観が転換する今という時代にフックするテーマです。いわば、人の価値観の変化を後押しすることにUniposは挑戦しているのだと思っています。経営者や人事の方々が、「Uniposで組織が良くなった」という話をしてくれたり、SNSなどで「Uniposに救われた」というコメントを見るたびに、私たちはとても意義のある仕事をしているんだなと誇りに感じます。Uniposという居場所で主体的な貢献を引き出す――今後、Uniposで「新しい当たり前」をつくれたとき、社会はどうなっていると思いますか。関:人々にとって、ここにいていい、受け入れられていると感じる居場所が増える社会になっていると思います。私は、人は元来コミュニティに対して貢献したいという欲求があるものだと思っています。たとえば、子どもってほとんどみんなが親の手伝いをしたいと思うのではないかと思うんですが、それは”家族”というコミュニティに自分を認めてもらい、そこに居場所を作ったり、ここにいていいという気持ちを高めたいからなのではないかと思うんです。この実感が得られることが私にとっての「感情報酬」です。裏を返せば、コミュ二ティ側が承認しないと居場所は作れないんです。Uniposは、この承認を増やすサービスで、ひいては人々の居場所を増やすサービスだと思っています。人は居場所があり、コミュニティに受け入れられ、安心して自己表現できれば、必ずいい仕事ができるようになります。その積み重ねはさらなる主体性にも繋がってきます。私がUnipos社で主体性を獲得できたのはまさにその体験があったからです。他者に刺激を与え、チームの力を引き出せる人と働きたい――どんな人と一緒に働きたいですか。関:自己表現や感情表現ができて、他者に対して刺激を与えてくれるような人と働きたいですね。最近はリモートワークも多いので、そういったコミュニケーションをリモートでもできるとなお良いです。チームの力を大事にして、チームの力を引き出してほしいです。自分がどんなプレイをしたいのか、周りにどんなプレイをしてほしいのか、しっかりと伝えられる人を求めています。――Unipos社で働く醍醐味は何でしょうか。関:居場所がないことの苦しさを知っているエンジニアは多いと思います。仕事の成果が数字になりにくく、本当に自分は会社に貢献できているのか、ここにいて大丈夫なのか、と自問自答することも少なくないのではないでしょうか。Uniposはまさに、そうした苦しみを解消し「居場所」をつくるサービスです。面と向かっては恥ずかしくて言えないような感謝や慰労も、Uniposがあると伝えられる。仕事をしていてよかったなと思える。そんなサービスを作れることが最大の醍醐味だと思います。面倒な仕事を自動化するのもエンジニアの醍醐味の1つだと思います。でも、「人の居場所をつくる」ことはそれ以上になかなかできないことです。今まで世の中になかった仕組みをつくり、皆で社会の構造を一緒に変えていきたいです。――最後に開発部としてこれから目指したい方向性や挑戦したいことを教えてください。Uniposを開発してリリースして終わり、だと面白くありません。それがユーザーに届いて使われて、そのことがメンバーのさらなるモチベーションに繋がる、という幸福な関係をつくりたいなと思っています。エンジニアはもちろん、会社のみんなが社会を変革している実感を得られるような環境を作っていくことが自分の重要な使命だと感じています。わたしのUnipos体験【もらったUnipos】――これまでにもらったUnipos、おくったUniposで印象に残っている投稿を紹介します過去のコミュニケーションで、そのときはお互い出口を見いだせずうなり続けていたことが、時を経て立場も変わりブレークスルーを果たしていた、という内容です。Uniposがなければこのような話は伝えられなかったかもしれないし、Uniposでもらうと形として残るという良さもあって、味わい深いUniposでした。【おくったUnipos】直接一緒に業務をすることが少ない部下の大きな成長を感じた瞬間です。新卒入社から知っているメンバーがその道のプロになってくれていて自分の仕事を大きく助けてくれて、ものすごく興奮しました。仲間を募集しています!カジュアルな面談からスタートしたいなどご要望に合わせて対応いたしますので。ご応募お待ちしております。募集中の求人一覧