いよいよUniposが「時代をつくる」ときが来た――まずは自己紹介をお願いします。吉田:現在、Uniposで人事の責任者をしています。2019年4月にリファラルがきっかけで中途入社しました。前職は人材紹介会社でキャリアコンサルタントを10年務めた後、採用を中心に複数のグループ会社にて採用マネジメントを担当していました。Fringe(※Uniposの当時の社名はFringe)に入社してからは3年ほど中途採用をメインに担当しており、2022年4月から人事全体を統括する立場につきました。ーー人事の責任者という立場から見て、Uniposは現在どのような状態にあると考えていますか。吉田:Fringeは2021年10月に事業統合し、Unipos社として再出発しました。その流れで退職する人が出たり、部署異動してキャリアチェンジする人が多く出てきたりして、組織を再構築し一体感を醸成するフェーズに入りました。それから2年弱が経過し、現在は組織としての考え方や方針が定まり、人もそろってきて波がある程度落ち着いた状態にあると考えています。事業面でいうと、現在はチャレンジするフェーズであり、世の中的にも良い流れが来ているタイミングだと捉えています。Uniposでは「『最高の集団を自らつくる』時代をつくる」というパーパスを掲げていますが、まさにこの「時代をつくる」を実現できるチャンスが到来していると感じます。ーー「時代をつくる」を実現できるチャンスというと?吉田:大きな要因として挙げられるのが、2023年3月期決算から始まった、上場企業の人的資本の開示義務化です。Uniposは人的資本経営を加速するプロダクトですから、注目が高まっているいま、この流れはチャンスだといえます。ただし、課題もあります。これまでにない市場を開拓するため「時代をつくる社員」が求められるーーどのような課題ですか?吉田:Uniposは業務改善系のサービスではありません。そのため、お客様にご提案する際は、経営課題などの抽象度の高い課題に着目して合意をとるところから始めなければなりません。そもそも、Uniposが開拓してきた市場はまだまだ新しいもので、これから広げていく必要がある領域です。非常に難しく、だからこそやりがいのある仕事といえます。ーーこれまでにない市場を作り出すのは、時代の後押しがあっても簡単なことではなさそうです。吉田:その通りです。社員1人の知恵でできることではありません。1人ではなく、社員全員の知恵を結集して挑み続けなくてはなりません。では、どうすれば「時代をつくる社員」になれるのか。そのような観点から掲げたのが、3つの人的資本戦略です。1つめは「信じてやり続ける」こと。2つめに「高い目標に挑み続ける」こと。3つめに「仲間の知恵や新たな知識の学習によりアイデアを生み出す」ことです。ーーどうすれば実現できるのでしょうか。吉田:これらの実現に欠かせない要素に「パーパスの探求」があります。具体的には、会社のパーパスと社員の自分自身のパーパス、マイパーパスとの重なりを見つけることです。「時代をつくる」ことは簡単ではないです。その目標に挑むには、まずは自分たちが扱っているプロダクトが世の中を変えられるのだと信じ続けなければなりません。失敗しても、方向性は間違っていない、パワフルにやり続ける。そのように信じ続けられなければ、お客様の支持は得られないと思っています。そのためには、会社のパーパスに自分を合わせるだけでは不十分です。会社を主語にして語るのではなく、自分自身のパーパスを明らかにして、その中に会社のパーパスと重なる部分を見つけることが大切なんです。会社のパーパスをどう捉えるかは十人十色です。社員は全員、その人だけのバックグラウンドを持っており、そこから生まれたマイパーパスを持っています。それを無理に会社のパーパスにつなぎ合わせるのではなく、社員それぞれがやりたいことを明らかにした上で、「あなたが乗っている船は会社と同じ方向を向いているよ」と示した方が迷いなく進めるはずだと考えています。「WillとMust」を大事にしながらマイパーパスを見つけるーーマイパーパスはどのように見つけていくのでしょうか。吉田:「Will・Can・Must」のフレームワークで考えます。Willは”本心から望んでいること”、Canは”得意なことや強み”、Mustは”すると決めていること”を指します。この中で「挑戦」するときに必要なのは、WillとMustです。まずはWillとMustを大事にしながら、挑戦する。その結果が、「できること」や「得意なこと」というCanにつながります。Uniposでは、「今現在やれること」に縛られる必要はありません。WillとMustを動機に行動し、一生懸命に挑戦してCanを手に入れてほしいと思います。ーーとはいえ、自分自身のパーパスを明確に言語化できる人はそう多くありません。吉田:そうですね。でも、それは単純に言語化する機会がこれまでなかったからだと思っています。パーパスというのは誰もが必ず持っているものなんです。たとえば日常生活で歯磨きしたり、顔を洗ったりするのにマニュアルってないですよね。でも皆当たり前のように実行しています。パーパスもそれと同じで、仮に言語化が今現在できていなかったとしても、人生や生活の一部として自分自身の内面に全員が持っているはずです。パーパスという言い方をするから難しく聞こえるのかもしれないですね。「あなたが人生において大切にしていることは何ですか?」とか、「自分を支えてくれる言葉って何ですか?」と質問すれば、答えやすくなると思います。それこそがパーパスなんです。ーーマイパーパスを言語化した上で、会社のパーパスとの重なりを見つけるとは、具体的にどのようなことでしょうか。吉田:個人と会社のパーパスが重なった状態とは、今の仕事を頑張ることに対して悩みや迷いがない状態のことをいいます。「本当にこれでいいのかな、お客様のためになっているのかな」という迷いからブレーキをかけてしまうことなく、信じて頑張れる状態が「個人と会社のパーパスが重なっている状態」です。たとえばプロダクトの新しい機能策定や、目標達成に至っていない組織でのコミュニケーションといった課題があったとします。もちろん成功させたいけれど、何が正しいのかはわからない。これをやれば成功できると断言もできない。そんな状態にあって確かなのは、「やらないと結果はわからないけれど、会社やお客様、そして自分自身のために今頑張っていることが間違っていない」と思えることなんです。「あのとき頑張ってよかった」と言い合える未来をつくりたいーー吉田さん自身のWillについても教えてください。吉田:今は何よりUnipos事業を黒字化させ、「時代をつくる」を皆で成し遂げたいと思っています。いつか「あのとき頑張って乗り越えられて本当によかったね」と言い合える状態にしたいですね。自分自身の昔も思い返すと、例えばリーマンショックのときは非常に苦労をしましたが、今となっては「大変だったよね」と笑いながら話すことができています。今のUniposは決して楽なフェーズではありませんが、同じように将来は笑顔で振り返えることができるようにしたいと思っています。私が入社した2019年と会社の状況は大きく変わっていますが、今の状況は挑みがいがとてもあります。入社前の想像とは違う未来にはいますが、むしろそれを楽しんでいますし、貴重な体験ができていると思っています。そんな状況下で私自身、人事の責任者を務めているわけですから、事業を絶対に成功させるために自分の時間を惜しみなく投下したいと考えています。そうやって社員ひとりひとりが力を尽くすことで、Uniposを卒業していった人たちについても、「Unipos出身の人ってイケてるよね」と言われるようになってほしいなと思っています。たとえばリクルートさんのように「Uniposの人は仕事もできるし、チームプレイもできるよね」と言われるようになってほしいですね。ーー吉田さん自身が大事にしている価値観はありますか。吉田:私が大事にしているのは「ここにいる理由を自分で見出す」ということです。前職で社外に常駐していた期間があるのですが、その際に仕事の大義がどうしてもわからなくて、執行役員に質問をしに行ったことがあります。明確な納得できる答えは得られなかったので(笑)、それ以降仕事には自分自身で意味付けを行い、今ここにいる理由を見つけ出そうとしています。そんなスタンスでいると、どんな状況に置かれても自分で意味づけた”ここにいる理由”があるのでいつでも前向きに捉えることができます。そうした姿勢は必ず周囲にも伝わっていると思っています。こんな考え方を持つに至ったのは、もともとのコンプレックスがあるのかもしれないですね。子供の頃の私は、人見知りで人付き合いもあまり得意ではなく、できの良い姉と常に比較されてきました。親の期待に応えたいのに応えられない、周りからダメだと思われたくない、だから自分ができることを自分で見つけて必死に頑張らなければという気持ちを常に持って過ごしていました。大人になって、いま仕事人としてどんな状況を目の前にしても前向きに自分がやる意味づけをしてきた原体験になっている気がします。ーーそんな中で大事にしている考え方はありますか。吉田:私の軸になっているのが、社会人3年目のときに上司から叩き込まれた「スキル×スタンス×モチベーション」の方程式です。スキルは少しずつ上げていく、モチベーションは逆にちょっとしたことで簡単に上がったり下がったりしますよね。だから、よくモチベーションが大事といいますが、モチベーションで仕事をしてはいけないんです。大事なのは姿勢、つまりスタンスです。どんな厳しい状況でも受け入れて、やる意味を自らつくり、やるなら前向きに。向き合う姿勢を私は常に大事にしています。強い個人が集まる組織を目指したいーー将来、Uniposが広まった世界はどうなっていると思いますか。吉田:利便性があるものが売れるのは当たり前ですが、Uniposはそうではなく、人の内面に影響を及ぼすサービスです。そうしたUniposのようなサービスがスタンダードになっている未来を思い描いています。Uniposが広まることで、人々の内面が豊かになり、日本がもう少し元気になれるんじゃないでしょうか。仕事をすることが楽しくて、笑顔で過ごせる。そうした心の豊かさが重視される世の中であってほしいですね。心の豊かさのひとつは、俗にいう“エモい”ということです。エモさのような感情はなかなかお金にはつながらないと思われていますが、そうではなくしっかりとつながっているんだと証明できたら面白いですよね。ーーそうした未来を見据えて、Uniposをどんな組織にしていきたいと考えていますか。吉田:強い個人の集まりで組織が成り立っているという状態を目指したいですね。強い個人とは、芯が強く、マインドセットが良い状態にある社員のことです。スキルとスタンス、モチベーションでいえば、スタンスの良い人が集まっている組織が理想です。挑戦している人、前に進もうとしている人に公平にチャンスがある組織でありたいし、私自身が率先してその旗振り役を務めたいと考えています。わたしのUnipos体験――これまでにもらったUnipos、おくったUniposで印象に残っている投稿を紹介します【もらったUnipos】私が入社してちょうど1年が経つタイミングでCSチームのリーダーからもらった投稿です。採用担当として試行錯誤しながら1年を過ごしていましたが、自分の行動が本当に皆のためになっているのか、自分のはたらきがどのくらい事業にプラスになっているかを実感できずにいた時期にもらった投稿でした。このUniposで「今まで自分がやってきたことは間違っていなかった」と安堵し、当時とても勇気づけられました。【おくったUnipos】商談中のお客様の悩みを解消するために「うちの人事と話しますか?」と提案し、その場を作ってくれたセールスメンバーに送った投稿です。顧客の課題解決を第一に考えての提案だったこと、彼の心意気や実際の行動を全社に向けて投稿することにより、この後に同様の商談同席や意見交換の機会を私宛に複数もらうことができました。この投稿をきっかけに、弊社のバリューである「顧客を基点に問い続ける」ための動きや部署を超えた共創の動きが伝播していったことがよかったと思っています。